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The Style Council全曲解説 [Kindle版]

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凡例

(ヴァージョン名)←公式のものが存在しない場合便宜的に付けた場合もある
Hon Councilers ←参加メンバー。特筆されない場合ドラムはSteve White、バッキング・ヴォーカルはDee C. Lee。(時期によってはHon CouncilerとしてWhiteやLeeも記載する)
主な収録作品←シングル、オリジナルアルバムと公式度の高い編集盤を優先して記載。
解説←独自の独断と偏見に満ちた解説。

2014年3月25日火曜日

The Lodgers

(Or She Was Only The Shop Keepers Daughter)
Hon Councilers:
Vocals : Dee C.Lee

収録作品
 album "Our Favourite Shop"

 ポールとディーが交互にヴォーカルをとるソウルフルな曲。若干遅めのテンポで、ディーのヴォーカルから始まるのはアルバムヴァージョン。幾つかあるヴァージョンの中でこれが一番ナチュラルな響きを持っている。ミックのオルガンソロが聴けるのはこのテイクだけ。テンポも遅めで、後の硬質なシングルヴァージョンに慣れると跳ね気味のゆったりしたリズムが妙に心地よいのだ。

 この曲には元々Or She Was Only The Shop Keepers Doughterというサブタイトルがついていたが、実際にこの表記が見られるのはこのアルバムヴァージョンだけで、シングルからは削除されている。


(Club Mix / Dance Mix)
Hon Councilers:
Vocals : Dee C.Lee

収録作品
 12" Single "Come to Milton Keynes"
 12" Single "Boy Who Cried Wolf"
 US 12" Single "Boy Who Cried Wolf" (Dance Mix)
 CD "Our Favourite Shop (Deluxe Edition)"

 パーカッションパートを大量にダビング、逆にヴォーカルの大半をカットし、大胆なリミックスを施したヴァージョン。TSCのリミックスのなかでも最もオリジナルとの差異が大きいもののひとつ。いかにも80年代的リミックスではあるが、ヴォーカルの抜き方が大きいせいで逆に今でも「使える」印象のあるトラック。

 パーカッションはクレジットが無いからホワイティと思われるが、後述する12インチヴァージョンで聴けるプレイと非常に似ているのでスティーヴ・シドルニクが担当している可能性も考えられる。

 元々はCome To Milton Keynes(またはBoy Who Cried Wolf)の12インチに収録。また、Dance MixというタイトルでUS盤のBoy Who Cried Wolfとカップリングされ、12インチとしてリリースもされている。

(Extended Mix / 7" Version)
Hon Councilers:
Vocals : Dee C.Lee
Trumpets : Guy Barker,Roddy Lorimer,Luke Tunney
Trombone : Chris Lawrence,Pete Thams,Ashley Slater
Congas & Percussions : Steve Sidelnyk

収録作品
 7" Single "The Lodgers"

 シングルカットされた際、この曲は完全にリメイクされた。ドラムパートはほとんどエレクトリックドラム(キックは打ち込みか?)によるものに変更、手数の多いシンセベースに大量のホーンセクション、イントロもギターとシンセによるものに変更され、テンポも速くなった。表記はリミックスという扱いだが、新規録音である。

 7インチヴァージョンではエンディングにポールによるヴァースの歌詞をフェイクして歌うパートがついていて、そのままフェイド・アウトする。実はこのヴァージョンはCD化されていない。

 なお、ジャケには「Featuring Dee C. Lee」と大書きされているが、アルバムヴァージョンより歌う部分が増えたと言うことではない。元々フィーチャーされていた、ということだが。

(Extended Mix)
Hon Councilers:
Vocals : Dee C.Lee
Trumpets : Guy Barker,Roddy Lorimer,Luke Tunney
Trombone : Chris Lawrence,Pete Thams,Ashley Slater
Congas & Percussions : Steve Sidelnyk

収録作品
 12" Single "The Lodgers"
 CD "Greatest Hits"
 CD "Our Favourite Shop (Deluxe Edition)"

12インチヴァージョンは単にExtended Mixと表記されているが、実際には(当然と言うか)7インチからの延長ヴァージョンである。単純にエンディングのフェイドが遅いのではなく、こちらにはポールのアドリブヴォーカルは無く、ホーンのリフの後に更に追加のエンディングパートがある。The Lodgersを元にしたファンク・ジャムと言った感じの趣のパートだ。

 このヴァージョンも長年CD化されていなかったが、Singuler Adventuresがリニューアルされ、Greatest Hitsになった際にようやく収録された。Our Favourite ShopのD.E.にも収録されている。

(unrereased demo)
収録作品
 CD "Our Favourite Shop (Deluxe Edition)"

D.E.で初登場したスタジオデモ。ポールの非常にラフなソロヴォーカルで歌われる(サビはミック)。構成はアルバムヴァージョンの形ができ上がっている。イントロにヴォーカルパートは無いが、何かを乗せることを前提としているような作り。

(new vocal)
Hon Councilers:
Vocals : Dee C.Lee
Trumpets : Guy Barker,Roddy Lorimer,Luke Tunney
Trombone : Chris Lawrence,Pete Thams,Ashley Slater
Congas & Percussions : Steve Sidelnyk

収録作品
 CD "Singular Adventures of the Style Council"

Singuler Adventuresに収録されたヴァージョン。ヴォーカルパートが完全に新録され、ギター及びシンセの一部が差し替えられているようだ。他の曲の新ヴァージョン同様、あまり良い出来ではない。

 長さ的には7インチ準拠のため、このアレンジでエンディングのヴォーカルが聴けるのはこのベスト盤だけとなっているが、ここではフェイドアウトせず、12インチのファンクジャムの手前でばっさりとカットされるような形になっている。

(Live Version)
Tenor Saxophone : Billy Chapman
Trombone : Chris Lawrence
Trumpet : Guy Barker
Trumpet : Stewart Prosser
Keyboards : Helen Turner
Bass : Camelle Hinds
Percussions : Steve Sidelnyk

収録作品
 album "Home and Abroad" (1985 Internationalists Tour")

 85年〜87年のツアーで演奏された。初期にはアルバムのアレンジでもプレイされているが、一般的なライヴヴァージョンはシングルのアレンジ準拠で、7インチと12インチヴァージョン折衷という感じになっている。ポールのアドリブヴォーカルもあり、ファンクジャム風になってからホーンのリフが登場して終わる。流石にライヴではシングルのせわしないバスドラムは再現されていない。

 87年ツアーではオープニングとして登場することが多かった。アレンジは85年ツアーとほぼ同じだが、ホーンがいないため全体に隙間の多い音になっている。勿論エンディングのリフもカットされている。

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